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第20話

僕の体の芯から熱が爆発し、全身に広がっていく。何が起きているのかわからない。宮殿の中で変身したくはないが、ネロは選択肢をほとんど与えてくれない。止めることはできず、遅らせることしかできないのだ。

ネロは制御を失い、自分たちの部屋に戻るよう促してくる。メイトのところへ戻れと。僕は廊下をよろめきながら歩き、スタッフたちは恐れの眼差しを向けてくる。さらなる視線を避けるため、庭園への専用出口から外へ出る。壁の石の縁を強く握りしめると、指の下で大理石が割れる音が聞こえる。制御を失いつつあることはわかっている。

「一体何が起きているんだ?」

外に踏み出すと、ネロは唸り声を上げるだけだ。もう止める力は...