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第15話

雀のさえずりと誰かに見られているという感覚で目が覚める。庭にいるはずだと思ったが、そうではない。枕に漂うモクレンの香りが徐々に馴染んできている。目を開けて頭の下の白い枕に焦点を合わせようとするが、まぶしい光で再び目を閉じてしまう。「どうやって戻ってきたんだろう?」

「やっと目が覚めたわね。もう起きないかと思ったわ」

私は起き上がり、モラナ王女の聞き覚えのある声を追う。王女は私の部屋の隅に座っていた。足を組み、髪の毛一筋乱れていない。私は急いで毛布を掴んで身体を覆おうとするが、昨日着ていたドレスをまだ着ていることに気づく。昨夜の出来事を思い出そうとするが、何も思い出せない。最後に覚えているの...