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第140話

デックスはソファから身を起こす。「どうやら俺は間違っていたようだな」彼は棚からウイスキーのボトルを取り出し、タンブラーにたっぷりと注ぐ。琥珀色の液体がボトルからグラスへと音を立てて流れ込む。

「私には分かるわ」と私は言う。ソファから立ち上がり、毛布を脇に投げる。「何年も、私も同じ怒りを感じてきたから」説明しようとするが、私の言葉は聞く耳を持たない相手には届かない。

デックスはグラスから大きく一口飲み、液体が喉を通るたびにのどぼとけが上下する。彼は目を閉じ、ゆっくりと息を吐き出す、まるで自分を落ち着かせるかのように。「最後に何か食べたのはいつだ?」彼が尋ね、目を開けると、怒りの色は消えていた...