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第130話

木製の椅子が広場の中央に配置されている。椅子の間には通路があり、座席を二つのグループに分けている。通路の両側には花が並び、花で飾られた金属製のアーチへと続いている。白、ラベンダー、淡い黄色が景色を彩る。豊かな花の香りが広場の周りに雲のように漂っている。

グラシエラと私は食堂の隣の路地に潜んでいる。私たちは影に隠れ、周囲の人々の目から見えないようにしている。

私は腕を組んで壁に寄りかかり、準備をする人々を見ている。この路地からは広場が完璧に見える。二人の狼人間が人間の結婚式の準備を見ているなんて、まるで冗談のようだ。

「人間はやり方が本当に違うわね」とグラシエラは目の前で展開される光景を見...