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第11話

ハドリアン

衛兵が近づいて深く頭を下げる。「お邪魔して申し訳ありません、殿下。お父上様がお待ちです」

私は衛兵に眉をひそめる。

「私を?」と心の中で思う。

この六年間、ほとんど宮殿にいなかったため、父とはめったに接触していない。森が私の家だったことの方が多い。私は玉座の日々の運営には関わっていない。父は、私がそれに値すると証明するまで、そこに私の居場所はないと明言している。

「陛下は、あなた様がいらっしゃるまで謁見を始めないとおっしゃっています」と衛兵は説明する。

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汗と汚れを体から洗い流した後、私は王族の制服に着替える。最後のボタンと格闘しながら廊下を歩く。

黒...