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第88話

最後のお客様が帰り、私は口に手を当て、あくびを抑えようとした。

シンとカーソン叔父の間で何が起こったのかはわからないけど、叔父が彼と二人きりで話したのは確かだった。それがうまくいかなかったのは明らかで、叔父は書斎から怒って出てくると、私の方向を見ることもほとんどなく、さよならも言わずに家を出て行ってしまった。

気にしないようにしていたけど、どうしても気になってしまう。私がシンの家にいることを叔父がどう思ったのか、そして旅行について嘘をついたことで私に失望しているのかどうか知りたかった。

旅立つと言って世界を旅すると思っていた頃は、最初から嘘ではなかったのかもしれない。でも、シンから逃げられない...