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第9話

「この世界に存在すべきでない人もいる。彼らにとっては、ただ重荷すぎるのだ」― フィービー・ストーン

(注意:この章は自殺をテーマにしています。読者の皆様はご注意ください。)

ハリマ

私が立っている場所の向こうには見知らぬ世界が広がっていた。奴隷生活の長い年月の中で、パックハウスからこんなに遠くまで来たことはなかった。これが自由というものなのだろうか?肌に優しく吹きつける風を感じること?明るい満月が私に光を投げかけていること?月の女神はこの全てを見ているのだろうか?

私の足は意思とは関係なく動き、崖の危険な端へと向かっていた。

「気をつけて、dear。落ちてしまうわ...