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第75話

三人称視点

赤。オレンジ。黄色。明るく鮮やかな色彩の三重奏、しかしまた、焼き尽くす破壊の色でもある。大火は狼人族の領土の大地を飢えの対象として猛威を振るい続けていた。緑が黒に、木が灰になるまで止まることはないだろう。その破壊と暴力は、その使い手である感情を持たぬ巨人に匹敵するものだった。彼は彼から逃げた女を捕らえるという使命を帯びていた。

ケルベロスの躊躇いのない行進は、火の爆ぜる音と無力な悲鳴が満ちた破滅的な空気の中に響き渡った。燃え盛る木々の根を揺るがすような足踏みで彼は前進し続け、大きな指を屈伸させながら、絞め殺す首を切望していた。それ自体が怪物だった。アバターを追跡する...