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第40話

三人称視点

しかし、キヤには一つの心配があった。ネロンが彼女が誰なのか気づいたとき、どう対峙すればいいのだろうか?拒絶されたつがいの相手と同じ場所に、ましてや同じ家にいるとき、狼人はどう対処すればいいのか?彼が他の誰かと幸せにしている以上、それは簡単なことではないはずだ。キヤは元つがいの相手に対して嫌悪と憎しみ以外の何も感じていないと確信していた。

彼女の古い家族はどうだろう?「きっと私のことなんてすっかり忘れてしまったわ」彼女は心の中で思いながら、化粧台の写真立てに手を伸ばした。

その写真には、抑えきれない幸せに満ちた笑顔で彼女と養父母家族が写っていた。母と父が彼女と兄弟姉...