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第211話

「魂を燃やすものを探せ。」―匿名

キヤ

燃やした火を消せないなら、火を起こすな。

私たちはキスを中断して、酸欠の肺に空気を取り込んだ。息遣いが一つに溶け合う。彼の唇は腫れていた、私の唇もそうだった。彼の味が私の唇と記憶に焼き付いた。もっと必要だった。欲しいと知らなかった薬物の一服が必要だった。ネロンが反応する時間を与えず、私は再び前に飛び込み、唇を合わせ、彼の絹のような漆黒の髪に手を絡ませた。

制御が滑り落ちている。手遅れになる前に手綱を引け。

私は彼の髪を握りしめて引っ張り、彼の頭を少し後ろに傾けて、もっと彼の魅惑的な味を堪能した。深く轟くような唸り声が彼の喉から私の口...