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第210話

「人は、自分が愛するものを守る。」- ジャック・イヴ・クストー

ネロン

17年前

十二歳の少年が夜遅くに森の中にいるべきではない、とママはいつも言っていた。この同じ飽き飽きした教えを毎日聞かされて、その言葉は私の心に焼き付いていた。ルナとしてのママは、存在しない危険について心配していた。理解できる。彼女は母グマのように子供たちを守ろうとする。今夜は、そんなことはどうでもよかった。大きな家から離れる時間が必要だった。彼女にとって私は少年だが、父にとっては男だった。

そして私はそれが嫌いだった。

アルファになるための訓練のプレッシャーは、厳格な教師である父がいると息...