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第187話

第三者視点

「ネロン、あなたを許すわ」

群れの家からの興奮した騒ぎが、衰えゆく夏の空気に乗って開いた窓から押し寄せてきた。キヤが太ももを指で叩く間、ネロンは夕暮れの空を見上げ、薄紫色の雲の美しさに見入っていた。二人は互いの反応を待ち、誰が最初に沈黙を破るか考えていた。不安がキヤの喉を刺す一方、ネロンは言葉を見つけようとしていた。オニキスとアルテミスは二人の心の中で身を固くし、この必要な会話を息を詰めて聞き、見守っていた。

期待感が手に取るように感じられた。

ネロンは口から聞こえるように息を吸い込み、吐き出し、喉をクリアしながら寄りかかっていた壁から真っ直ぐに立ち上がった。彼...