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第148話

「疑いは失敗以上に多くの夢を殺す。」― スージー・カセム

ネロン

私はどこにいるのか、どうやってここに来たのか分からない。

分かっているのは、何か恐ろしいことが起きたということだけだ。

胸の疼くような痛みが消えない。私の意志に反して、無謀に脈打ち続けている。不快感を和らげようとその部分をこすってみたが、かえって悪化するだけだった。私にできることは、自分がどこにいるのか把握しようとしながら、この痛みを無視することだけだ。言うは易く行うは難し、というわけだ。

これは夢なのか?白い無限の虚空を歩くと、足音が響いた。目を眩ませる光は容赦ない寒気を裏切り、露出した肌には鳥肌が広がっ...