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第88話

彼が達する瞬間の表情が大好きだ。彼は美しい。彼をこの境地まで導いた自分の力を感じる。彼の表情にはもはや苦しみはなく、欲望と渇望だけが見える。彼の味、彼のすべてが私を崖っぷちに立つ心へと引き寄せる。私は誰かに所有されたいと思ったことはなかった。アレックスはそれを変えた。私も彼を所有したい。彼が私の口に滑り込むのを見るのはスリリングでエロティックで、私自身は絶頂に達していなくても満足感がある。

彼は私を床から持ち上げ、私は彼と向かい合って立つ。彼の目に宿る眼差しが私の肌を焼く。彼が崩れ去るのを見た時の本能的な反応だ。

そして彼は微笑む。

私は望んでも笑みを止められない。

彼の笑顔は優しくなる。「...