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第87話

女性たちがジムに入ってくる。大音量の音楽が鳴り響いているため、実際には彼女たちを見ていないのだが、セリーナがそこに立っていることは、今日太陽が沈むことを知っているのと同じくらい確かだった。彼女は私の肌の下で感じる波動のようなもので、彼女が近づくほど、その感覚はより強烈になる。私は今やっているセットを続けながら、マディソンが口笛を吹くのを聞く。間違いなく夫に向けたものだろう。ちらりと見ると、案の定、彼女は私の方を見ていない。だがセリーナは見ていた。狂おしいほど熱い欲望が彼女の目に宿っている。彼女はとても読みやすい。私が立ち上がって汗だくの体を彼女に擦りつけても、彼女は気にしないだろう。もちろん、...