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第38話

私は慎重に熱いハンドルの後ろに滑り込む。さらに注意深く、そっとシートベルトを締める。駐車場から出ると、通りの向こう側にムーンの黒いキャデラックの一台が見えた。車が動き出し、私の後をついてくる。

何度か曲がり、I-17の入り口に入る。キャデラックは私がペオリア出口を取ってゲットーセンターに向かうまで、安全な距離を保って後ろについてきた。実際にはそれがモールの名前ではなく、単にそう呼ばれているだけだ。モールを囲む道路から外れたところに、何年も空いたままの大きな店がある。ずっと前に廃業し、誰も入居していない。ここはあまり良い地区ではない。私は駐車場に車を入れる。キャデラックが横に止まり、ムーンが後...