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第265話

眠れない。ほとんど意識が落ちかけたとき、コリがすすり泣く。この部屋に彼女と一緒に放り込まれてから、私の体内時計によれば約8時間が経過している。彼女は微熱があり、先ほど胆汁を吐いた。食べ物も水もなく、手で汲んだ水道水をコリに飲ませるよう説得するしかなかった。シーツもない、ざらざらしたマットレスの上で横になっている。天井を見上げて顔をしかめる。頭上のライトが一度も消えないので、天井がはっきり見える。ドア横のスイッチは作動しない。もしざらざらしたマットレスと明るい光だけが不満なら、まだましな状況だったのに。

コリからのもう一つのうめき声で、私は彼女の方に向き直る。ゆっくりとした浅い呼吸から、彼女は...