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第209話

バイクで外出するようラックを説得するのは少し大変だった。アンジェロが私たちを見張る手下を置いているかもしれないと彼は心配していたからだ。実はダックスが助け舟を出してくれて、クラブハウスがあるピーチシティに見知らぬ人間が現れれば必ず気づくと説明してくれた。私も閉じ込められてストレスが溜まっているから、せめて1時間くらいは外に出たいと付け加えた。ラックは折れて、計画の第一段階は成功した。

ハイチではバイクに乗っていたけれど、ラックが曲がりくねった高速道路を走らせるハーレーのパワーとは比べものにならない。私はラックの腰にしっかりと手を回し、胸を彼の背中にぴったりとつけている。結んだ髪から解けた毛が...