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第20話

ムーンはサントス医師が座っていたベッドの端に腰掛けている。彼の指が私の頬を滑る。その愛撫は顔の下半分には素晴らしく感じるが、上半分は麻痺している。「答える前に言っておくけど、君はお風呂に入る以上のことはできない状態だよ。強い薬が効いてるし、僕は君を利用したりしない。それに溺れさせるつもりもない。僕は立って見守ることもできるし、君は僕の膝の上に座って休みながら、疲れた筋肉をほぐすこともできる」

ムーンが裸の私を風呂で見るより、彼の体に寄りかかる方がまだましだ。薬が効きすぎてて疲れ切っているから、それ以上考えられない。「あなたを浮き輪代わりにするわ」と言って、私はくすくす笑う。薬って本当に素晴ら...