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第176話

ジープに積んだ武器のせいで、私は速度制限を守らざるを得ない。遠くに車のライトが見える長く寂しい道では、スピードを上げる。軍隊で覚えた仮眠術を活かし、二度ほど車を路肩に停めて三十分ほど居眠りする。それで頭がすっきりする。旅の約十五時間後、天候が急変した。この忌々しい寒さが大嫌いだ。アリゾナ育ちの薄い血は喜んでいない。ジーンズと薄手の綿のTシャツを着ている。防弾チョッキはトランクにある。袖はないが、ケブラー素材は着れば暖かさを保つのに役立つだろう。今のところ、ジープのヒーターが効いている。

傷の痛みを精神的にブロックしようとする。縫合部が引っ張られ、大量の抗生物質を注射されたにもかかわらず、脇腹...