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第17話

「マディソン?」ムーンが眠たそうに尋ねる。

安堵感に包まれ、私は泣かないようにこらえる。しかし無駄な努力で、安心の涙が目から流れ落ちる。「怪我してる」それだけが精一杯の言葉で、それすら震えている。

「シーッ」ムーンが囁く。彼の声は私の命綱で、それを聞いてますます激しく泣いてしまう。「どこにいるんだ?」

また一陣の震えが私を襲う。肺に空気を吸い込み、話せるように自分を抑えようとする。「ペイソンとヘバーの間…」歯がまだガタガタと鳴り、もう一度呼吸する。「山の斜面を下ったところ、百ヤードくらいのところにいる」

「なんてこった」動く音が聞こえ、私は誰かが私にこれをした犯人が追ってくるかもしれないと、目...