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第120話

トイレに行きたくてたまらない。喉の渇き、空腹、痛む腕、今はどれも問題じゃない。今この瞬間、膀胱が最優先だから。奴らが私を殺すとき、床中に小便をまき散らすことになるだろうが、それは自業自得だ。くそ、たぶん奴らはそれに慣れているんだろうな。

時間を計る手段がない。何時間にも感じるのは、おそらく数分に過ぎないんだろう。チャンスがあったときにダガーを撃っておけばよかった。壁のひび割れを見つめて、それらをつなげて絵を作っている。膀胱の痙攣から意識をそらすための何かだ。

ドアが開くと、怒りが十倍に跳ね上がる。頭を回すと、この無毛ゴリラ社会で広く見られる典型的な坊主頭の若い男が見える。彼は頭を突っ込み、...