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第103話

セリーナはまた顔から倒れる。ラックは手を差し伸べて彼女を立ち上がらせる。彼女は私が今まで見た中で最悪の格闘家かもしれない。

「手加減しないで」彼女は唸る。

「今もマットに叩きつけたばかりだぞ。どこが手加減だ?」ラックは冗談めかして嫌悪感を示す。

「痛くなかった」彼女は息を切らしながら不満を言う。髪をきつく後ろに引いていても、汗ばんだ毛先が彼女の顔の周りに巻き付いて、私を興奮させる。くそ、この女性に関する全てが、どんな姿でも私を硬くさせる。汗まみれでも、清潔でも、泥だらけでも構わない。今この瞬間も、一日中ずっと、彼女が欲しい。

彼らは1時間ほど練習を続けている。数週間前に私が彼女を訓練し...