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第205章絶対違う

ポールは会議を終えたばかりで、外に出た。秘書がエンリケが近くの観光名所を訪れに行ったと告げた。

彼はそれを疑わなかった。エンリケが長くじっとしていることなどできない性格だと知っていたからだ。間もなく、携帯電話が鳴った。見慣れない国内番号だったため、ポールは一瞬躊躇してから応答した。

驚いたことに、電話の向こうからケビンの声が聞こえてきた。「父さん、ちょっと時間ある?」

ポールは面食らった。「ああ。何かあったのか?」

ケビンは無力感を滲ませた口調で言った。「ちょっとした問題があって。エンリケがさっきアーノルドと俺のところに来て、ブレンダの世話を手伝えって頼んできたんだ。でも俺たちはまだラ...