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第849話

怒りで顔を赤くしたジョンはアレクサンダーを睨みつけた。

アレクサンダーは彼を無視し、クインを抱えたまま家の中へ真っ直ぐに入っていった。

彼女を二階の寝室まで運び、ベッドに寝かせると、立ち去ろうとした。

突然、誰かが彼の袖を引っ張った。彼は立ち止まり、ベッドにいる人物を振り返った。

涙で目を潤ませたクインが彼を見上げ、小さな声で尋ねた。「どこに行くの?」

アレクサンダーは彼女の手を取り、優しく自分の服から離すと、彼女の横に座った。

「少し出かけなければならないんだ。すぐに戻るよ」

クインは不満げに唇を尖らせた。彼が出かけるたびに、戻ってくるまで永遠のように感じられるのだった。

彼...