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第822話

一日中アビゲイルと過ごした後、クインはアレキサンダーに叱られたことをすっかり忘れていた。彼女は彼の腕にしがみつき、まるで骨のない生き物のように彼に寄りかかっていた。

「お腹すいた」と彼女は甘えた調子で言った。

アレキサンダーはため息をつき、振り返って「行こう」と言った。

クインは彼の後ろをスキップしながらついていった。目覚めてからこんなに幸せを感じたことはなく、足取りさえ軽く感じた。

しかし、この幸せは薬を飲む時間までしか続かなかった。

暗く濁った液体を見て、クインの表情は一瞬で曇り、顔を背けた。

「さあ、いい子だから薬を飲みなさい」とアレキサンダーは言った。

クインは激しく頭を...