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第760話

クインは気づいた。「彼だ。本当に彼なんだ」

クインはアレクサンダーの顔を見つめながら涙を浮かべ、視界がどんどんぼやけていった。

ウォルターも駆け寄り、二人を見て安堵のため息をついた。

しかし、彼が口を開く前に、アレクサンダーはクインを彼に手渡し、「彼女を外に連れ出せ」と言った。

ウォルターは少し驚き、思わず彼を何度か見つめた。

「大丈夫か？」ウォルターは疑わしげに尋ねた。

彼が話し終えるや否や、後ろから何かが落ちたような大きな音がした。

アレクサンダーはウォルターを強く押した。「ここから出ろ！」

ウォルターは彼を深く見つめた後、もう躊躇わなかった。彼はクインをしっかりと掴み、走り...