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第647話

老夫婦は計画に夢中になり、止まることなく会話を楽しんでいた。その愛情あふれる様子は周囲の人々の羨望を集めていた。

クインは夢見るような目で彼らを見つめ、やがて観光バスは景勝地に到着した。

バスがゆっくりと停車し、クインが振り向くと、目の前に広がる花の海に驚きの表情を浮かべた。

まるで自然が色彩のパレットをこぼしたかのように、色とりどりの花の海が果てしなく広がっていた。

アレキサンダーがクインをバスから降ろすのを手伝い、クインが舗装された道に足を踏み出すと、花々の香りと大地の匂いが混ざった芳香が鼻をくすぐった。

花畑は視界の限り広がっていた。

クインはアレキサンダーの手を離れ、花の海...