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第620話

クインは手話で尋ねた。「どうしてそんなに野草のことを知っているの?」

アレクサンダーは杖を持ち、前に進むのに苦労していた。「さあね、食べられるものなら何でも」

クインは驚いた様子を見せたが、彼に反論はしなかった。

彼が食べられると言うなら、それは食べられるのだ。クインは彼の言葉を一言一句信じていた。

しばらく歩くと、中の草木は生い茂り、多くの野生の果実があった。

しかし、それらはどれも食べられるものではなかった。

最も奥の部分に、野生の柿の木があった。アレクサンダーは杖で指さした。「あれは食べられる」

そう言うや否や、クインは手に持っていた箱を置き、木に向かって走り出した。

「...