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第50話

クインの目は一瞬閉じられ、暗闇の中で安らぎを求めた。目を開けると、見慣れた部屋の光景が視界に入ってきた。しかし、アレクサンダーの姿はどこにもなかった。

夢から覚めたクインは、甘く苦い感情の残り糸が心に引っ張られるのを感じた。それは消えることを拒む、しつこい痛みだった。

彼女は体を起こし、引き出しから生理用ナプキンを取り出し、トイレへ行く準備をした。しかし、動き出す前に寝室のドアが開き、アレクサンダーが現れた。

クインは生理用ナプキンを手に持ったまま、凍りついた。

アレクサンダーの視線は彼女が持っているものに一瞬だけ留まったが、彼はそれについて何も言わなかった。代わりに、彼はただ「起きた...