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第468話

「自分で拾ってもいいですよ」とメイドが提案した。

クインは黙ったまま、手つかずの食べ物に視線を固定していた。

メイドは軽蔑するような目で窓を塞ぐための木の板を掴むと、部屋を出て行った。

外の物音が収まるとすぐに、クインは手を伸ばして板を押した。

メイドが急いで去ったため、きちんと固定されておらず、クインは小さな隙間を作ることができた。しかし、外側の土がさらに開けるのを妨げていた。

彼女は指の間の狭い隙間から白い光の束が顔に降り注ぐ中、ただ押し通すことしかできなかった。

彼女に見えるのは小さな草の一部と散らばった泥だけだった。クインはそこに立ち、隙間から漏れ出る微かな光を浴びていた。

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