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第46話

もしあの時アレクサンダーが彼女を救わなかったら、クインは今頃何らかの幸せを見つけていたかもしれないと考えていた。

希望は薄れていき、木の葉の隙間から差し込む一筋の光が彼女の注意を引いた。

クインのまつ毛がかすかに動き、痛みを堪えながら頭を持ち上げた。松葉の間から、彼女は遠くのシルエットを識別した。

腹部を押さえながら、彼女は残りわずかな力を振り絞り、下草の中から苦労して這い出した。

その人影はかなりの距離、三百フィート以上も離れていた。

沈黙の中で苦しみながら、クインはその距離を縮めようと努力した。

子供を救わなければならない...

光の源はパトロール中の警備員が持っている懐中電...