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第417話

「クイン…」

クインは彼を見上げ、続きを待った。

ショーンは口を開いたが、言おうとした言葉は舌の先でためらい、結局沈黙の中に飲み込まれてしまった。

「なんでもない」と彼はついに言った、その声は柔らかな諦めを帯びていた。「ゆっくり休んだ方がいい。この二匹の犬を下に連れて行って、君が治ったら返すよ」

そう言うと、彼は慎重に椅子から立ち上がった。二匹の犬を抱き上げると、その小さな体は彼の腕の中でもがいていたが、彼はそれらをケージに戻した。

子犬たちは無造作にケージに入れられ、抗議の吠え声を上げた。彼らは行ったり来たりと動き回り、脱出しようとケージの柵に小さな体を押し付けていた。しかしショー...