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第310話

我慢できずに、クインは車から降りて囲いの中に足を踏み入れた。彼女の視線は救助された子犬たちに釘付けになっていた。

フィンは手を伸ばしてゴールデンレトリバーの頭を撫で、それからクインの方を振り返った。「これらは全部家庭用ペットだよ。みんなとても温和なんだ。一匹撫でてみる?」

クインは犬たちを見つめ、手を伸ばしたい欲求が表情に浮かんだが、躊躇した。「大丈夫だよ、噛まないから。ほら、僕を噛んでないでしょ」と彼は励ました。クインは唇を引き締め、勇気を振り絞って、ついにレトリバーの頭に触れた。想像していたよりも柔らかく、毛はふわふわしていて、犬は従順で、餌を食べるのに忙しかった。「ほら見て?」とフィ...