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第304話

彼女自身の子供は、最初の泣き声を発する機会を一度も与えられなかった。

「クイン、戻ってきたの？」ナニーがクインを見つけ、温かみのある声で彼女を迎えた。

クインは赤ん坊から視線を移し、わずかにうなずいてナニーに応じた。

ナニーは続けた。「ならアレクサンダーも戻ってきたのね。もっとフレイヤに会いに行くべきよ。彼女は最近絶望状態で、ほとんど食べ物も飲み物も口にせず、かなり痩せてしまったわ」

クインは返事をせず、代わりにブランコから立ち上がりベビーカーに向かって歩き始めた。

近づくにつれ、赤ちゃんは小さな腕を振り回し、明らかな興奮を示しながら何かに手を伸ばし始めた。

ナニーの声には喜びが含...