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第1588話

二人は永遠とも思える時間、無言で座っていた。海風が吹き渡り、砂浜を撫でていく。夜が更けるにつれ、さらに冷え込んでいった。

しばらくして、アレクサンダーが沈黙を破った。「帰ろうか。遅くなってきた」

クインはため息をついた。「帰っても、眠れそうにないわ。あなたは疲れてる?」

「別に。ただ、君が寒くないか心配で。もう少し居たいなら、構わないよ」アレクサンダーはそう言いながら、自分のジャケットを脱いでクインの肩にかけた。

クインはジャケットを見つめ、それから立ち上がった。「帰りましょう。ここは暗すぎるし、見るものもないわ」

「日の出を待つこともできるよ」とアレクサンダーが提案した。

クイン...