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第1357話

季節は肌寒くなり、窓の外の葉は黄色く色づき始めていた。

クインは窓辺でくつろぎながら、舞い散る葉を眺めていた。彼女は手に既に彫り上げた木彫りの人形を持ち、無意識にそれを撫でていた。

彼女の隣では、スプラウトがベビーカーから起き上がろうとしては失敗していた。彼は小さな手を伸ばし、クインの手にある物を掴もうとしていた。

それが取れないと、彼はクインの袖を引っ張り始めた。

クインが振り向くと、スプラウトが口を大きく開け、よだれをたくさん垂らしながら彼女に向かって笑っていた。

彼女は一瞬立ち止まり、木彫りの人形を彼に手渡した。彼の手はあまりにも小さかったため、掴んだ瞬間にそれはベビーカーの中...