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第1216話

クインは病院の外に立ち、見慣れない周囲を眺めていた。彼女がここに閉じ込められてから、永遠とも思える時間が経って、外の世界を見たのは初めてだった。

建物や場所の雰囲気全体が、彼女を少し落ち込ませ、怖さも感じさせた。

彼女はあまり遠くに行く勇気がなく、その場に留まっていた。通りの向かい側にはコンビニがあり、水のボトルを買いたかったが、行く勇気が出なかった。

「なぜそこに立っているだけなんだ?」アレクサンダーの声が背後から聞こえ、クインは無意識に振り向いた。

アレクサンダーは点滴治療を終えたところだった。彼は一見大丈夫そうに見えたが、顔には依然として弱々しさが表れていた。

クインは彼を無表...