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第1177話

クインは固まってしまい、もう彼を見ることもできなかった。

アレクサンダーの表情は、彼女がウサギを食べ終えたのを見て少し和らいだ。それから彼は火を起こした。

ここは寒くなかった。火は単に明かりのためだった。

クインはちらつく炎を見つめ、突然言った。「火を消して」

彼女の声はかすれていて、パチパチと燃える木の音にほとんど消されそうだった。アレクサンダーは不思議そうに彼女を見た。「何て言ったの?」

クインは息を吸い、もっと大きな声で話そうとした。「火を消してって言ったの」

アレクサンダーは一瞬考え、それから立ち上がって足で火を踏み消した。洞窟は真っ暗になった。

「わかった」

クインは...