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第1106話

クインは溜息をついた。「嘘じゃないよ、アビゲイル。本当に私、クインだよ。どうやって証明すればいい?」

アビゲイルは画面を眇めて、クインの顔をじっと観察した。「わかったわ、周りを見せて」

クインはカメラを回して周囲の様子を映した。

「全部緑色ね。これは何かグリーンスクリーン?」アビゲイルは疑わしげに尋ねた。

クインはカメラを自分に向け直し、うんざりした表情を浮かべた。「じゃあ、他に何をすればいい?」

アビゲイルは少し考えた。「顔の前で手を振ってみて」

クインは言われた通りにすると、映像はそのままだった。

それからクインはカメラを隣にいる馬に向けた。「見て、アビゲイル、これは馬よ。A...