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第1081話

ウォルターがドアを通ろうとした瞬間、突然立ち止まった。

彼の後ろにいた仲間たちも足を止め、全員の視線が2階へと向けられた。

ほんの少し前まで明かりがついていた部屋が、今は突然暗くなっていた。

「ボス?」誰かが囁き、指示を待った。

ウォルターは怒鳴った。「お前たちは出口を押さえろ。もし今回も奴が逃げたら、お前ら全員終わりだからな」

そう言うと、彼はホテルの正面玄関を押し開けた。

ロビーは薄暗く、古いカウンターの後ろでは中年の男が居眠りをしており、ウォルターの侵入にまったく気づいていなかった。

ウォルターはその男にほとんど目もくれず、真っ直ぐ階段へと向かった。

木製の階段は彼の体重...