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第1012話

クインは彼の方を向いた。

彼は無理に笑顔を作り、本心を見せようと努めた。

「アレクサンダー」クインが呼びかけた。

「うん、ここにいるよ」アレクサンダーはすぐに返事した。

クインは傷ついた手を持ち上げるのに苦労しながら、彼の手に置き、彼を見つめた。「一つだけ約束して、そうしたら許すから、いい？」

アレクサンダーは少し動揺した。「何だい？」

クインは答えた。「あなたには元気で、健康に生きていてほしい。それさえすれば、あなたを許すわ」

アレクサンダーは無表情でクインを見つめ、口の端に微かな笑みを浮かべた。「君は僕を許しているのか、それとも罰しているのか？」

「約束してくれれば、もう自...