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第223話さようなら、リアム

*リアム*

古びた体育館のドアが、錆びついた蝶番が静かな夜に悲鳴を上げるようにきしみながら開いた。体育館のドアの窓から漏れる月光の中に、女の影が立っていた。ぴっちりとした黒い服――ブーツにグローブ、そしてロープのように揺れるポニーテール。湿った木とカビの匂いが、人気のない高校の体育館に重く立ち込めていた。午前一時。この場所はまるで墓場のようだった。

俺は冷たい金属製の椅子に縛り付けられ、きつく締められた手錠で手首がすりむけて痛んだ。俺の他にも四人。ダン、ジャック、ノア、そしてコムズ保安官だ。リンクが首に打ち込んだ薬の効果が切れかけていた。指先とつま先を動かせるようになり、声も出るようになっ...