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第20章ブーム

ジョイ

「終わった」通信機越しに告げ、ザヴィエと部下たちに突入の合図を送った。

銃声の反響がまだ消えやらぬうちに、私は男に背を向けた。

見下ろすことはしなかった。

その必要もなかった。

何が見えるかはわかっていたから。虚ろな抜け殻。わずかに痙攣し、恐怖と不信に見開かれた目。ピート・マクダウェル。レイピスト。人形遣い。殺人鬼。嘘つき。汚れたマットレスの上で血と肉の塊と化し、その最期の表情は、他の連中と同じように記憶に刻み込まれる。

コンクリートにハイヒールの音が響く。一歩一歩が意図的で、計算されていた。呼吸は穏やかだった。穏やかすぎた。アドレナリンの噴出、手の震え、あるいは罪悪感――...