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第180話

ペテ

ロレンゾと私はSUVの後部座席に並んで座っていた。車は大佐の部下の一人が運転し、大佐自身は助手席に座っていた。私たちは皆静かに座っていた。ただロレンゾだけは例外で、高価なスーツについた埃を必死に払いながら、小声で罵り続けていた。

運転手がバックミラー越しに頻繁にこちらを見るのが、私をイライラさせた。見るたびに顔をしかめるので、自分の外見を気にせずにはいられなかった。

こんな醜い姿を常に思い出させられる必要なんてない。特に昼間の光の中では!

奴を撃たないよう自制するのに、私の全ての自制心が必要だった。もし彼が運転していなかったら、最初に顔をしかめた瞬間に撃っていただろう。

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