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第60話

中央病院の薬草保管室で、研究スタッフがノラの知識を抜き打ちテストするために集まっていた。

いつもの傲慢さを漂わせるハワードが言った。「ノラ、思い出せなくても恥ずかしがらないで。私たちも人間だから。見栄を張るより正直な方がいいよ」

「始めよう」

ノラは特に動揺することなく、落ち着いた口調で答えた。

「キャビネット7番の薬草」

「レンギョウ:苦味、やや寒性。清熱解毒、散瘀、消炎効果があります」

薬草保管室の担当医師がキャビネットを確認し、うなずいた。

ハワードは検査を続けた。

「キャビネット16番」

「インディゴナチュラリス:苦味、塩味、非常に寒性。清熱解毒、血を冷やす効果があり...