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第585話

エヴェラは小さなスプーンでケーキを食べていて、唇の端にクリームが少しついていた。

リチャードは自分の唇の端を指さし、微笑みながら言った。「レミントンさん、唇にクリームがついていますよ」

エヴェラはまばたきをした。

リチャードはナプキンを取り、彼女の唇のクリームを拭き取ってあげた。

「甘いものがお好きなようですね」彼は素早く拭き終えた。

エヴェラは自分の唇に触れて言った。「はい。ここのお菓子はとても美味しいです。食べてみませんか?」

「ぜひ。どの味が一番ですか?」

「私はこのイチゴのムースが一番好きです。酸味と甘さがちょうどいいんです」

「そうですか?では、ぜひ試させていただきま...