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第343話サイン会に行く

「私?」サンディはためらった。出かけたい気持ちはあったが、ケネスを怒らせてしまうのではないかと不安だった。

前夜、ケネスは遅くに帰宅し、寝室には入らず、書斎で一夜を過ごしていた。

サンディにはその理由がわかっていた。おそらく、軟膏の一件でケネスが苛立っているのだろう。

「行っておいでよ。こんな機会、滅多にないんだから」と、ノラはサンディの迷いを見て、励ますように言った。

サンディは唇を噛み、うなずいた。「うん、わかった。」

確かに、今帰っても一人でいるだけだ。退屈するくらいなら、ノラや他のみんなと一緒にパフォーマンスを楽しんだほうがいい。

一行はしばらく個室で待機していたが、エヴェ...