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第51話

19:20 「地平線刑務所」独房「ゼフィリア」

悪魔。

頬を優しく撫でる指の感触が、ゆっくりと私を目覚めさせた。

「今シャワーを浴びたい?」彼の問いかけに、私は小さく笑った。

「起きたばかりなのに、もうそんなことを言うの?」私は反論しながら、間近で彼女の美しさを堪能した。

「何を期待していたの?」彼女は私に身を寄せ、唇が私のものにほんの少しだけ近づいた。

「たとえば『おはよう、ダーリン。元気?』とか」彼女は笑い、その笑い声は包み込むような旋律のように部屋中に響き渡った。

「それは無理よ、ルシアン」私は彼女の顎にキスをした。

「僕にとっては無理じゃないよ、ダーリン」私は手を彼女の...