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第32話

17:20 「刑務所ホリゾンテ」監房。「ゼフィリア」

トリックス。

もう一度ノックした。金属のテーブルに広げられたカードを見て私は微笑んだ。

「あなた、イカサマしてるわ」オーレリアの恥ずかしそうな声に、私たちは皆笑った。

「下手なのはあなたでしょ、お嬢さん」ティナがからかうと、オーレリアは唇を尖らせて腕を組んだ。

「もうやらない」私は笑いながら、その瞬間の伝染するようなエネルギーを楽しんだ。

オーレリアは私にとって、まるで今まで持ったことのない妹のような特別な存在になっていた。

「監房に戻れ!!!」看守の声が私たちを遮り、刑務所の抑圧的な現実に注意を向けさせた。

「本当に退屈ね...